研究紹介

 

大学院では吃音のある方の脳機能をはじめとした生理学的特徴や吃音の神経科学的メカニズムの解明を中心に行っています。また、臨床をベースとした吃音のある方の発話特徴に関する研究などにも取り組んでいます。「脳科学」と「音声・言語学」が専門です。


専門分野・スキル

- 臨床 -

・発達性吃音の評価・訓練

・機能性構音障害の評価・訓練

・聴覚情報処理障害の評価

・バイリンガル話者の言語評価

 

- 研究 -

・認知神経科学

・実験言語学

・経頭蓋直流電気刺激法による行動研究

・Praatを用いた音声分析

・脳波計測 


研究課題

【吃音の社会的認知度および社会的認識・態度調査】

 一般の方に「吃音」「どもり」がどの程度、そしてどのように認識されているのか、について、共同研究者として調査を行いました。

 

【経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いた吃音研究:2016年~】 

頭皮上に設置した電極から微弱な電気刺激を行うことで、脳の活動を一時的に変調することができるtDCSという手法を用いて、吃音のある方の脳機能について研究をしています。 この手法を用いて脳機能イメージングで示されている吃音者の脳機能の異常と吃音生起の因果関係を明らかにすることが目標です。また、将来的には吃音治療への応用を目指していきたいです。

修士論文では、tDCSを前方言語野(ブローカ)および後方言語野(ウェルニッケ)をターゲットに行い、各領域の活動の変化が吃音の発話症状にどのような影響を及ぼすか検討しました。

 

【吃音と聴覚情報処理の関連に関する検討:2017年~】

吃音は流暢に話すことが難しい「発話の障害」ですが、その背景には聴覚処理の問題もある可能性があります。音を聞き取る力(聴力)には問題がないにも関わらず、相手が何を言っているのかを聞き取り理解することに困難さがある聴覚情報処理障害(APD)と吃音の関係も含めて、質問紙や生理学的検査を用いた調査を進めています。

 

【吃音の発話流暢性に関する個人差についての検討 2017年〜】

吃音者の発話症状には個人差があり、より効果的な言語療法を行うにはその個人差をより詳細に分析し、個人差の背景を明らかにする必要があります。吃音者の発話について音響分析を行い、また言語学的特徴を調べることでこれらについて明らかにしていきたいと考えています。

 

【バイリンガル話者の言語障害に関する研究:2016年~】

 

バイリンガル話者の言語障害に関する研究は国内ではまだ少なく、特に吃音については報告がほとんどありません。バイリンガルの吃音者はその症状の現れ方に言語間で差がみられる場合があることや、その特徴が異なる場合があることが欧米の研究で報告されています。言語環境の多様化に伴い日本国内でもバイリンガルの吃音者が増えてくる可能性があることから、その実態を調査するとともに、評価方法や支援方法について検討しています。